新型コロナの無症状者の実効再生産数を試しに計算してみた(3)

この前の計算で無症状者が伝染す人数/感染者が伝染す人数(k = Ra/Rs) と、無症状者の割合(p) から感染経路不明者の割合を計算すると 1-1/(kp) となりましたが、kp≦1 だとこの値は (0,1) の範囲に収まりません。kp≦1 だとどうなるか考えて見ましたが、世代の経過とともに感染経路不明者の割合は 0 に収束しました。

 

Ns(k): 第 k世代で検査で捕まった感染者の人数
Na(k): 第 k世代で検査されな無症状者の人数

第 k世代 (全体の感染者数を 1と置く)
  Ns(k) = 1-q
  Na(k) = q
第 k+1世代
  Nss(k+1) = Ns(k)*Rs*(1-p) = (1-p)*(1-q)*Rs
  Nsa(k+1) = Ns(k)*Rs*p = p*(1-q)*Rs
  Nas(k+1) = Na(k)*Ra*(1-p) = (1-p)*q*Ra
  Naa(k+1) = Na(k)*Ra*p = p*q*Ra

Naa(k+1)/(Nss(k+1)+Nsa(k+1)+Nas(k+1)+Naa(k+1)
  = p*q*Ra / {(1-q)*Rs+q*Ra}
  = p*q*k*Rs / {(1-q)*Rs + q*k*Rs}
  = p*q*k / (1-q+q*k)
以下では説明をわかりやすくするため k=1 の場合を考えると、
  = p*q

同様に
Nas(k+2)/(Nss(k+2)+Nsa(k+2)+Nas(k+2)+Naa(k+2)
  = p*p*q
Nas(k+3)/(Nss(k+3)+Nsa(k+3)+Nas(k+3)+Naa(k+3)
  = p*p*p*q
となります。
一般的に p<1 であるため、kを大きくするとこの値は 0 に収束します。

逆に kp>1 の場合、感染経路不明者の割合は 0 ではなく、無症状者が伝染す人数/感染者が伝染す人数(k)と無症状者の割合(p)から決まる正の値に収束します。