新型コロナの市中の感染者数は発表される一日の感染者数の 7~8倍と推定される
最近の東京都の発表する数字を見ると感染経路不明の割合は 60% 程度に収束してきているように見えます。この条件で新型コロナの市中の感染者数を推定してみます。
前回同様、無症状者が伝染す人数/感染者が伝染す人数(k = Ra/Rs) と、無症状者の割合(p) と置きます。
Ns(k): 第 k世代で検査で捕まった感染者の人数
Na(k): 第 k世代で検査されな無症状者の人数
第 k世代 (全体の感染者数を 1と置く)
Ns(k) = 1-q
Na(k) = q
前々回の計算から感染経路不明者の割合は
1 - 1/(kp) = 0.6
より
kp = 2.5
発症の二日前から伝染する可能性があるため、発表される一日の感染者数の 2 倍程度の(将来の)発症者が世の中にいると推定されます。
検査でつかまらない人数はこの q/(1-q) 倍おり、自己隔離しないため発症者より k 倍の時間感染能力がある状態で市中に存在するため、全体の人数を計算すると、
2 * {1 + kq/(1-q)}
倍となります。前々回の計算から q = (kp-1)/(k-1) なので
2 * {1 + kq/(1-q)}
= 2 * {1 + k(kp-1)/(k-1-kp+1)}
= 2 * {1 + (kp-1)/(1-p)}
= 2 * {1 + 1.5/(1-p)}
= 2 + 3/(1-p)
ここから先は p の値を決まっている必要があります。
(1) p=0.4 とすると (kp=2.5 から k=6.25)
2 + 3/0.6 = 7
となるため、市中の感染者数は発表される一日の感染者数の 7倍となります。
(2) p=0.5 とすると (kp=2.5 から k=5)
2 + 3/0.5 = 8
となるため、市中の感染者数は発表される一日の感染者数の 8倍となります。
23区内で考えると、人口は 957万人であり、ここ一週間の23区内の感染者数は一日当たり 173人くらいなので、だいたい 8000人~9000人に一人キャリアがいる計算となります。